
オルガ・ヴァカーロさん
YouTubeやFacebookで発信
私は1996年からテレビ・ラジオの業界でジャーナリストとして働いていました。
2021年1月にテレビ局を辞め、同僚、ジャーナリスト、社会活動家たちと独自のオンラインメディアを、ザポリージャ市で立ち上げました。
それからYouTube で地域コミュニティ向けの番組や情報を発信しています。
2022年2月24日に戦争が始まったとき、オンラインメディアのチームと私は、ザポリージャ市に残る、と決めました。
3月1日の火曜日に最初の番組を放送し、それからも毎週火曜日14時から3~4時間にわたって、オンライン放送を続けています。

1日で原発が占領された
戦争開始の2ヵ月前、私はザポリージャ原発のイホール・ムラショフ所長に会い、状況について話し合いました。
所長は「原子力発電所は攻撃されないだろう」と述べました。ザポリージャ原発は規模が大きいため、爆発したときの風向きによってはロシアにも放射能が大量に降り注ぐからです。
原発が爆発すると、周辺の住民が被曝するので、平和利用されている原子力施設に対する武力攻撃は、国際法、国連憲章、IAEA(国際原子力機関)憲章で禁止されていることも、攻撃されない理由です。
ところが、クリミア半島から侵攻してきたロシア軍は、3月3日にザポリージャ原発を攻撃し、戦車を使って4日朝には発電所を占領し、周辺地域でも進軍を続けました。
所長はロシア側に拘束されて行方不明になりましたが、今は、家族のもとに戻ったと伝えられています。
ザポリージャ州の70%がロシアに占領されましたが、ウクライナ軍が進軍をザポリージャ市から30kmの地点で阻止したため、我々のメディア・スタッフがロシア軍に捕らえられることはありませんでした。
技術部長、デザイナー、司会者は、祖国を守るためウクライナ軍に入隊しました。1人の男性は子どもと一緒に、ウクライナのより安全な地域へ避難しています。

トランプ大統領が支援を打ち切った
私たちは地域での情報活動として、毎週放送を続けています。私が日本にいる間は、事前収録したインタビューを他のスタッフが編集し、YouTube やFacebook で発信しています。
「 RADIO NA DOTYK 」とYouTubeに入れると見られます。
2024年に米国から多額の資金援助を受け、年明けまで使用できる資金を確保できました。
ところが2025年2月、トランプ大統領が支援を打ち切ったので資金がなくなり、今はボランティアで放送を続けながら、資金調達につながる他のプロジェクトを探しています。
